司法書士試験はマークシート式の択一式と申請書等を実際に書く記述式の2種類で構成されています。
記述式は重要だとは言われていても、択一式で足切り突破しなければ話にならないので、記述式は基準点以上を確実に取る勉強方法がいいとよく聞きます。
つまり択一はガチ。記述はそれ未満に力を入れるということ。基準点は記述式のほうが低い傾向です。
この考え方を充実に守ったわけではないのですが、私自身、記述式の勉強はほとんどやりませんでした。択一に割いた時間が100とすると記述式は1もないくらいです。
1は極端に聞こえるかもしれませんが本当にそれくらいです。
ただし、その1に含まれる勉強は、記述式の問題を実際に解いて復習したりすることです。
択一の練習問題を解いていると、目的や原因の解説があったり、どんな登記事項があるかなどといった問題がよく出てきます。これは択一の知識ではありますが、同時に記述式の勉強もしていることになります。
あとは基本的なひな形があれば、案外と何とかなるものです。むしろ記述で問われる論点が分からない、つまり何を書いたらいいのか分からなくなることが一番怖いです。論点が分からないということは、択一の知識が足らないということです。
やはりあくまで択一知識あってこそだと思います。そういった意味で、択一重視で記述基準点以上を狙うつもりのほうが、限られた時間では最も合格率が高いと言えるのかな?と感じます。
でも記述で足切りという人も毎年多く、やっぱりただの結果論としか言えないような気もします。
本来記述式では突拍子もない論点・奇問が出る確率は低く、これまで見たことあるような論点の組み合わせ、気づきにくくして引っ掛けるトラップ、書かせる量などで難易度が上がる性格です。
難しいと感じた問題も、バラバラに解体してしまえば何てことはない論点の塊です。ところがこれが一つになり、さらに時間制限がかかると無茶苦茶難しくなります。
ひな形もあまりにマイナーなものは出題されにくいですし、基本的な「型」を覚えれば、あとは択一式の知識をフル動員することで何とか解けるものです。
もちろん本試験では焦りなどでそううまくはいかないのですが。大体マイナーな書式を知っているかどうかは司法書士に求められる要素ではないでしょうから、それを知っている人を司法書士にしたいわけではないでしょう。
こういったことからも、やはり以下に基本事項を申請書という形にするか?そのプロセスを知り、ひらめき力を身に付けるのが記述式の勉強であると感じます。
もちろん様々な記述式問題の数をこなすことでこららの力は身に付くでしょう。しかし何年受験しようとも、択一知識を基準点プラスα以上に保ち、記述力を向上させるのはやはりかなり難しいです。
結局、記述対策に時間をかけすぎると「勉強時間が足りない」という不合格原因に陥りやすくなります。
ひたすら記述問題を繰り返し時間を割くのもどうかな?と最近は感じてきました。どうしても効果がないように思えてしまうのですが、同じ問題を何度も繰り返すことのほうが得られる記述を解くコツやひらめきが見に付くように感じています。
もちろん記述式対策をやらなくていいと思っていたわけではありません。合格した年にはちゃんとやりました。それでもやった量は周りよりは少なかったみたいですが。
それでも何とかなったのは、補助者で実務を積んだことが好影響だったかなと思います。試験問題で扱う内容とはやや違うものの、日々申請書を作っていたため多少なり記述力アップに繋がっていたと思います。
そういった私自身の環境もあったので、特に記述式に時間を割かなくても何とかなったのかなと思います。
択一は細かく、記述は大枠でとらえ択一知識を包んでいたような感じです。