1年目、2年目とひどい成績だったのですが、ある意味本気で司法書士試験を受験したのは最初の1回目だけだったので、それ以降は司法書士事務所に就職したせいもあり勉強は片手間でした。仕事を覚えるのとプライベートで精一杯な状況でした。
100%の本気度はなくモチベーションは底辺でしたが、一応勉強を続ける気はありました。膨大な範囲の試験科目全てを勉強する気にはなれなかったので、とりあえず基本中の基本であり、全ての科目に繋がり、かつ一番できがひどかった民法を勉強することにしました。
その勉強方法は、過去問を利用することでした。そしてただ解く方法だと時間がかかるのでそれだけで1年間かかる気がしました。もっと効率よく覚えられないかと考えていました。
その当時に読んだ教養本で、問題は解かずに解説を読むという時間短縮勉強方法を見つけました。これで理解できるかは何も考えませんでしたが、時間がかからずあまり悩まなくてよさそうな勉強方法だったので、このやり方を採用することにしました。
主な勉強時間は通勤の電車の中。家では気が向けば、という感じでした。
使った民法の過去問は、LECの肢別過去問集「ポケット判択一過去問肢集」でした。これを選び抜いたわけではなく、ただ単にLECで受講した択一データファイリングに付属してきたからです。ただ結果的にこの過去問題集が効いたと思います。
この勉強方法の結果から言うと、1、2年目の本試験、または模試では、半分くらいした得点がとれませんでしたが、この勉強方法だけで2、3問間違いまで飛躍的に得点力がアップしました。
その勉強方法は先ほど軽く書いたとおりです。過去問を問題としてではなく、テキストとして利用する方法です。つまり解説を読む、それから問題を見てみる、というプロセスです。使用教材は「ポケット判択一過去問肢集」です。
これにより、読み進めるスピードは格段に上がります。当然ですね。全く分からない問題・論点でも、解説から読めば悩んでその場に立ち止まることがないからです。これでどんどん進めていきます。
ただそれでも1回目や2回目はどうもしっくりこない感覚が続きます。でもあれだけ意味不明だった問題も、解説から入ることで全く変わって見えてきます。どうやっても理解できそうにない文章が何とか理解への足がかりがつかめそうな雰囲気になっていきます。
特にLECの肢別過去問題集「ポケット判択一過去問肢集」は、同じ論点が続いて出題されます。代理人なら代理人、抵当権なら抵当権。そういった感じで昭和時代の古い問題から平成の最新の過去問まで、同じ論点が問われた問題が続けて掲載されています。
しかし解説が同じなわけでなく、問題に応じて色々な角度から論点を知ることができました。おかげで、新たな視点や考え方が身に付き、苦手だった部分も次第に解けるようになりました。
解説を読んでみて、それに対応した問題がどのようなことを聞いているのかパッと頭にあまり浮かばないようなら、問題文を読んでそして解説を読んでみます。これでこれまで出題された司法書士の民法問題が何を問おうとしているのかが理解しやすくなります。
このような勉強方法により、自分としては一気に民法の理解度が上がりました。では他の科目も一気に得点アップ。そして合格へ…とはなりませんでした。飛躍的に上がったのは民法だけです。次に不動産登記法でしょうか。他の科目はいまいちでした。特に会社法とか民事訴訟法はさっぱりでしたね。さらに憲法や刑法も問題の性格上ちょっと難しかったかと思います。
全科目買うと30,000円くらいです。苦手科目だけ買えるので追々買っていけばよろしいかと。ちなみにポケット版といってもそんなに小さなものでもありません。刑法とかは薄いですが、民法や不動産登記法、会社法、商業登記法なんかは分厚いので案外とかさばります。ソニーのネットブックみたいにジーンズの尻ポケットには入りません。あくまでカバンに入れやすいぐらいと考えたほうがいいですよ。