司法書士試験は実務と直結しやすいと言われます。
そのため司法書士事務所に補助者として就職することで実務を肌で体験でき、勉強にも活きてくるという話があります。
ただその反面、勉強できる時間が限られるため、結果的には就職しないほうがいいという結論に至ることが多いようです。
では実際にどうかというと、私の経験上、プラスにはなりますが、試験に受かるまでの強烈なものはなく、添える程度のものと感じます。
不動産登記法や商業登記法がどうやっても頭に入らず苦しんでいる人は、登記中心の事務所での補助者経験で、登記法独特の「コツ」というか考え方みたいなものが分かるかもしれません。これできっかけをつかむことも考えられます。
私は登記法自体は意味不明でもありませんでしたが、日々の登記申請書の作成から何かをつかんだような感じがあります。流れが分かったような感じで、参考書の記載内容が頭に入りやすくなったと思います。
ただ司法書士試験は登記法だけではないので、他の科目に好影響を与えるかというと厳しい感じがします。
裁判系の事務所に行ったら民事訴訟法絡みが強くなるかというとこれもまた一概に言えないでしょう。
サラ金の過払いオンリーの事務所だと、非常にシステマチックに事務をするだけのポジションを与えられたりしますし、法律がどうこうという場面に立ち会えるかも分かりません。
実際に実務に触れることで、この厳しい勉強への励みになることもあります。
資格があればもっと活躍できる!とやる気が出てくる人もいます。
また時間が制限されることで、より集中力が高まり、効率的な勉強をすることで合格に近づく人もいるでしょう。
人それぞれで補助者就職の効果が変わってくると思います。
ただやはり、就職すること自体が合格への近道とは到底思えません。勉強に専念すること、それを継続すること自体も難しいのですが、ストレスと多大な責任を毎日感じる司法書士の実務処理は、帰宅後・休日の勉強のやる気をなくしてしまうことが多々あります。
今では派遣での数ヶ月の募集もあるので、マンネリ化を感じている人は一度補助者就職してみるのもいい刺激になるかもしれません。
一発発起で本当に勉強に専念できるなら、勉強に全てを注いだほうがいいでしょう。
焦って実務も覚えつつ…と欲張ると長引く結果になるでしょう。勉強専念の環境があり、それを少なくとも2年間やる気を維持できるなら、補助者就職は合格後にして遅いことはないと思います。