「過去問は回す」といった表現を聞くことになると思います。独学であれ専門学校の通学であれ耳にするはずです。
回すとは何度も解く、読み込むということです。一度ではダメで、2度、3度と繰り返すことで司法書士試験で問われる問題の内容、傾向、勉強するべき対策方法が見えてくるというのです。
私も過去問は重要だと大学受験から痛感していました。ましてや司法書士のような性格の試験はなおさらと感じました。繰り返し似たような問題が出ると最初から感じていました。
ところが私の場合、その「回し方」を間違えました。
司法書士試験の過去問問題集は、民法で3から4冊、不動産登記法で2冊、商業登記法で2冊、会社法で1~2冊、民事訴訟系で1冊、刑法や憲法、司法書士法で1冊、こういった構成が平均的です。
単純に考えて、10冊くらいあることになります。もちろん厚さ、ページ数が違います。
私の場合、これを全科目やって、また同じ順番で全科目とやりました。
テキストを使わずにいきなり過去問をまともに解いていくという学習方法をとった私。
もちろん1周目は意味不明です。1周させる時間も無茶苦茶かかりました。
そして2周目。1周目の記憶が全くといっていいほどありません。普通は「あっこの問題の答えはこれだったんじゃない?」という風に、答えを覚えてしまっていることも多々あることでしょう。
しかし1周させるのに時間がかかりすぎているため、何にも記憶にございませんでした。そんなことも覚えていないのですから、問題を解いたことでなんとか得たはずの知識、記憶も全く頭に残っていません。
「もう1周させれば光が見える!!」
そう思ったかどうかは覚えていませんが、3週させても何にも変わりませんでした。
記憶、暗記作業は、忘却しきる前にまた覚えて刺激、これを繰り返すことで脳に記憶が定着すると言われています。
ところが私の場合、2周目するころには1周目の記憶が残っていなかったのです。1周目の真ん中でほぼ記憶は枯渇していたかも。
範囲が膨大な司法書士試験。だからこそ、一気に全範囲を覚えこまなければと焦るあまりに起こした失敗です。
いくら焦って全範囲こなしたところで何にもならないのです。覚えなければ意味がありません。
やはり1冊を忘れきる前に、その1冊をもう一度繰り返す。このタイミングが大事だと思いました。頭のいい人はこれでいいのかもしれませんが、私は全くダメ。でもいい勉強になりました。