私は5ヶ月で初受験を終えたあとは、補助者に就職したこともあり勉強する時間が大幅に減りました。
そして同時にやる気も失せてしまい、ダラダラとちょっとだけ勉強する日々が続いていました。
そんなわけで、全科目をバランスよく勉強することはずっとなくて、民法と不動産登記法ぐらいしかまともに勉強していませんでした。他の科目に全く手をつけなかったわけではありませんが、割合でいうとほとんどやっていないと言っても構わないくらいです。
その勉強方法もテキストを読むだけ、もしくは過去問を解かずに解説を読むだけという方法でした。
それから数年そのような勉強が続いていましたが、本試験では民法は大体2,3問間違いと安定していました。不動産登記法はややばらつきがありましたが悪くはありませんでした。
ある年からこのままではダメだとやる気を出して勉強することになったのですが、これまで問題演習、いわゆるアウトプットを全くやってこなかった点を反省し、インプットを止めて完全にアウトプットのみになりました。
他の科目は効果がかなり出ました。
しかし民法は一気に点数が下落。それまでなぜか解けていた民法の問題が解けなくなりました。
もともと民法の問題をスラスラといていたわけではなく、何となく合っていた印象があります。
ですが今思えば、テキストを何度も読み込んでいたおかげで、条文知識の細かい暗記はできていなかったものの、論理的思考が自然に身についていたものと思われます。
民法は特にこの論理的思考がないと対応できない科目だと思っています。推論問題はもちろん、ちょっとひねった事例に対応するにはただの暗記された条文・判例知識では正解できません。
持っている知識をいかに問題に当てはめるか?この作業能力がより必要とされる科目だと思います。
確かに問題を解きまくることで条文や判例は覚えられました。しかしいざ本番の試験になると、問題文がすっと頭に入ってきません。明らかにAランク問題、つまり80%近い正解率以上を出す落としてはいけない条文知識問題には対応できても、少しひねられるとそれだけで訳が分からなくなるモロサが出てしまいました。
昔の司法書士試験ならそれで十分だったのかもしれません。でも近年の司法書士試験は難化の一方で、特にただの暗記だけでは民法を攻略することが難しくなっていると思います。
テキストを全く読まずインプットだけになると、型にはまった問題しか解けなくなりました。
インプットだけ、アウトプットだけ、そのどちらかだけ、もしくは偏った勉強方法で合格したという人はいるとは思いますが、少なくとも私は、より考えさせられる民法の問題はアウトプットだけでは厳しいなと感じました。
これ以降、民法に関してはテキストを読み込むインプット作業が中心となりました。
個人的には一番インプット作業の効果が出やすい科目だと感じています。もちろんさらにアウトプット作業を組み合わせるのが一番効果的なのでしょうね。